「持ち主不明なら不審物扱いですよね?」走行中に通路を塞ぐ荷物、3回呼びかけても無視。駅員が次駅で搬出すると、発車時には持ち主だけが青ざめて立ち尽くしていた。
2026/03/30

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「通れないんですけど?」

東海道新幹線の通路に出ると、ドア付近から中央まで大型スーツケースが並び、完全に道を塞いでいた。人ひとり横向きでやっと通れる幅しかない。周囲を見ると誰も動かない。

「これ、どなたのですか?」
一度目、反応なし。二度目、声を張る。「すみません、通れないんですけど」…それでも誰も名乗らない。三度目、「持ち主の方、いらっしゃいますか?」沈黙。周囲の乗客も無関心のままだった。

苛立ちを抑えつつ、私はスマホで通路の状況を撮影し、車掌に連絡した。

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「通路が荷物で塞がれています。持ち主が名乗り出ません」
車掌は表情を引き締め、すぐにアナウンス。

「通路および出入口付近に置かれている荷物の持ち主の方、至急名乗り出てください。安全確認のため、次駅で対応させていただきます」

しかし誰も動かず、二度目のアナウンス。
「名乗り出ない場合、安全確保のため車外へ移動します」

次駅到着。ホームには駅員が待機し、車掌と共に荷物を確認。静まり返る車内で、奥の席から慌てた声が上がった。
「それ、私たちのです!」

遅い。車掌は淡々と指摘。
「先ほど二度アナウンスしました。通路への放置は規則違反です。特大荷物は予約されたお客様のみ所定スペースをご利用ください」

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荷物は一旦ホームへ降ろされ、持ち主は駅員の説明を受けることに。列車は発車。車内は静まり返り、空気はさっきと明らかに変わっていた。

私は席に戻った。怒鳴らず、蹴らず、ただ確認し記録し、制度に委ねただけ。公共の場にはルールがあり、「ちょっとくらい」「すぐだから」と思う油断が、一番危ういと改めて感じた。通路はきれいに空き、制度の力とルールの重要性を痛感する瞬間だった。

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