結婚後、はじめてお盆で夫の実家へ行くことに。すると、姑に「お盆なのに何も用意してないの?」と言われ...
2026/07/05

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結婚して初めてのお盆、私は夫と一緒に義実家へ行くことになった。

正直、義両親とは結婚式と挨拶で会った程度で、距離感もまだよく分かっていなかった。

出発前、義母から電話があった。

「何も用意なんていらないわよ。着替えだけ持ってきなさい」

優しい声だったので、そのまま信じてしまった。

でも少し気になって、夫と相談して、手土産にどら焼きを買って持って行った。


到着すると、すぐ仏間に案内された。

そして義母が、にこにこしながら言った。

「お盆なのに、何も用意してないの?普通はお供えくらい持ってくるものよ?」

一瞬、頭が真っ白になった。

夫が横で即座に言い返す。

「いや、母さんがいらないって言っただろ」

でも義母は全く悪びれない。

「そういうのは気を利かせるものなのよ」

空気が一気に重くなる。


その瞬間、私はふっと落ち着いた。

(あ、これ“試し”だ)

真正面から怒っても面倒になるだけだと思った。

だから、私は袋の中を見て、あるものを取り出した。

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「……あ、じゃあこれでいいですか?」

そう言って、電車の中で食べていたジャガリコをそのまま仏壇に置いた。

義母も夫も、義父も一瞬で固まった。

「……え?」

部屋が完全に止まる。


その後もいろいろあった。

義母が何気なく放つ「子どもはまだ?」という言葉にも、

私は笑顔で首をかしげた。

「えー!それってドラマのセリフみたいですね!どの役ですか?」

空気がまた止まる。


食事のとき、味に文句を言われたときもそうだった。

「ちょっと薄いわね」

私は慌てたように言った。

「あっ、すみません!じゃあこれで!」

そう言って、義母の味噌汁にだけ、醤油と味噌を追加した。

周りが再びフリーズしたあと——

義母だけが、なぜか吹き出した。

「……なにそれ」

そして次の瞬間、大笑いした。


「もう降参よ」

義母は笑いながら箸を置いた。

「嫁いびりしようと思ってたのに、完全にやられたわ」

その一言で、空気が変わった。


帰り道、夫が言った。

「お前、あんなキャラだったか?」

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「え?」

「母さん怒らせると思ってたのに、逆に笑ってたし」

私はとぼけた。

「たまたまですよ」

夫は納得していない顔をしていたけど、それ以上は何も言わなかった。


その後。

なぜか義母とは普通に買い物に行く関係になった。

あの時の“戦い”がきっかけだったのか、それとも別の何かだったのかは分からない。

ただひとつだけ確かなのは、

あの日、義実家の空気は一度完全にリセットされたということだった。

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