
仕事帰りにいつものコンビニに寄った。
トイレを借りようとして、女トイレの前を通ったときだった。
ドアが開いて――
40代くらいのおじさんが出てきた。
「……え?」
しかも手には、トイレットペーパーに包まれたもの。
一瞬で分かった。
使用済みの生理用品だった。
頭が真っ白になって、次の瞬間には体が動いていた。
おじさんを壁際に押し込んで、思わず言った。
「なぁ、警察行くか。」
自分でも声が震えてるのが分かった。
怒りで手が熱くなっていた。
おじさんは最初、「違う違う」とか何か言いかけた。
でも手に握ってるものを見て、周りの空気が一気に変わった。
店員も固まり、レジの客もこっちを見ている。
私はもう一度言った。
「ここ、女性専用トイレだよな。」
おじさんは何も言えなくなった。
店員が慌てて店長を呼び、
そのまま警察に連絡。
数分後、パトカーが来た。
結局そのおじさんは事情聴取で連れて行かれた。
翌日、トイレの前には大きな貼り紙が増えていた。
「女性専用
男性の利用を見かけたら警察へ通報します」
あの日のことがあったからだろう。
トイレのドアの前でその紙を見ながら、
私は思った。
こういうのって、
「誰かが言うかどうか」で止まるんだ。
あの時もし黙ってたら、
たぶんあのおじさんはまた来ていた。
でも今回は違う。
あの日から、
あのコンビニの女性トイレは――
もう二度と“誰でも入れる場所”じゃなくなった。