夫の死後「長男だから家を継ぐ」と迫る息子夫婦。遺言書を出した瞬間、顔色が変わった。
2026/06/08

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夫が亡くなって二か月も経たない頃、長男から電話が来た。

「そろそろ相続の話をしないとな。家は俺が継ぐ。長男だから」

私は静かに聞いていた。

夫の介護中、長男はほとんど病院へ来なかった。葬儀では「片桐家長男」とだけ書かれた名刺を配り、親戚に自分の立場を見せつけていた。

一方、次男は遠方から何度も通い、葬儀の手配まで黙って支えてくれた。

ある日、長男夫婦が突然やって来た。

「同居してあげます」

嫁も笑顔で言った。

「お母さんの老後も安心ですよ」

けれど本音はすぐに見えた。

彼らは近所に「もうすぐ実家に住む」と勝手に話し、親戚には「母が長男を差別している」と言いふらしていた。

さらに嫁がカフェで友人に話しているのを偶然聞いてしまった。

「実家さえ取れれば楽になる。土地だけでも三千万以上あるし」

その瞬間、私は決めた。

もう遠慮しない。

翌日、夫が生前から付き合っていた弁護士に連絡した。

夫は遺言を残していた。

自宅と預金の大部分は私へ。

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子どもたちは法定割合の現金のみ。

さらに夫は、長男夫婦には知らせていない資産まで私名義に移していた。

後日、長男夫婦を呼び、遺言書と資産管理の書類を見せた。

長男は顔を真っ赤にして叫んだ。

「母さんが親父を騙したんだろ!」

私は静かに言った。

「騙したのは誰?まだ私が生きているのに、家を取ろうとしたのは誰?」

二人は何も言えなかった。

最後は弁護士から内容証明が送られ、今後の接触はすべて弁護士を通すことになった。

夫が守ろうとしたのは家ではない。

残された私の人生だった。

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