65歳のゆみ子は、年金13万円で一人暮らしをしていた。決して贅沢はしていない。それなのに月末になると通帳残高は減り、財布の中はレシートで膨らんでいた。スーパーでは特売品を買い込み、キャッシュレス決済で小さな出費を重ね、帰宅しては「また無駄遣いした」と落ち込む日々。お金への不安が、毎朝のように胸を締めつけていた。
そんなある日、公園で旧友のさち子と再会する。同じ65歳、しかも年金額も同じ13万円。それなのに彼女は驚くほど穏やかで、若々しく、どこか余裕があった。
「私ね、お金に好かれるために、5つの習慣を続けているの」
ゆみ子は思わず身を乗り出した。
1つ目は、ポイントカードとお得日の活用。火曜のポイント5倍デーにまとめ買いし、年間3万円分も得しているという。
2つ目は、日常の買い物を現金払いにすること。現金は使う痛みがあるから、ムダ遣いが自然と減る。さち子はこれで月2万円の節約に成功した。
3つ目は、先取り貯金
。年金が入った日に1万円でも別口座へ移す。「余ったら貯金」は一生貯まらない、と彼女は笑った。
4つ目は、週1回の財布リセット。日曜の朝5分だけ、レシートを捨て、カードを整える。財布が整うと、心まで整うという。
5つ目は、ありがとう消費。お金を払う時に「ありがとう」と心で唱える。すると、本当に必要な物か自然と考えるようになり、衝動買いが消えていく。
その日から、ゆみ子は少しずつ真似を始めた。財布を整理し、スーパーでは現金払いに変更。年金が入ると1万円を先に移し、買い物のたびに「ありがとう」とつぶやいた。
3か月後、通帳を見たゆみ子は息をのんだ。貯金は9万円増え、ポイントも5000円分たまっていた。何より変わったのは表情だった。不安げだった顔に、穏やかな笑みが戻っていた。
同じ年金13万円でも、人生はここまで変わる。
お金に好かれる女性は、特別な才能があるのではない。
小さな習慣を、今日も静かに続けているだけなのだ。