夫・英二が末期腎不全になり、私は彼に腎臓を提供した。
手術前、英二は必死に「頼む」と懇願してきた。
けれど回復後、彼は礼を言うどころか、尿蛋白で食事制限が必要になった私を見て「病人の嫁なんかいらない」と言い放った。
私の名前は優子。31歳で、娘のあみを育てながら働いている。
英二の病気をきっかけに、義母の提案で義実家に同居した。
義母は家事や育児を助けてくれたが、英二は体調が戻るにつれ外出ばかりになり、家のことも娘のことも放り出した。
移植後、私の体調が崩れても、英二は「近寄るな」「気持ち悪い」と罵るだけだった。
そんなある日、英二は帰宅するなり離婚届を突きつけた。
「病気も治ったし、人生をやり直す。病人の嫁はいらない」
私は驚いたが、すでに愛情は消えていた。
静かに離婚届へ署名すると、英二は「この家から出て行け。あみは置いていけ」と言った。
その時、義母が若い女性を連れて帰ってきた。
彼女は英二の浮気相手で、私を見下すように笑った。
私は離婚届を英二に押しつけ、「訴えられたくなければ、その人のところへ行きなさい」と言い、彼を追い出した。
その後も私は義母と娘と暮らした。
ところが一年後、英二から留守電が入る。
今度は肺の病気になり、移植のために私に肺を提供しろという内容だった。
私は無視したが、英二は家まで押しかけ、娘を連れて行くと脅した。
私はすぐ警察に通報し、英二には接近禁止命令が出た。
さらに私は、集めていた浮気の証拠を弁護士に渡し、英二と浮気相手に慰謝料を請求した。
英二は病気を抱えながら慰謝料を払い、浮気相手にも逃げられた。
私は娘と新しい部屋へ引っ越し、義母との交流だけは続けている。
もう英二とは二度と関わらない。
これからは、あみと穏やかに生きていく。