渋滞で迎えに行けないと頼まれ断ったら、数時間後に義兄嫁が家まで来て一言だけ残して帰った
2026/03/30

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電話が来たのは、

歯医者に出る直前だった。

「もしもし、今大丈夫?」

義兄嫁の声は、

明らかに焦っていた。

「コストコ帰りなんだけど、渋滞で動かなくて…」

「幼稚園の迎え、代わってもらえない?」

正直、一瞬だけ考えた。

でも、

時間はもうギリギリだった。

私はそのまま答えた。

「今から歯医者なので、無理です」

間があった。

ほんの数秒。

「……そう」

それだけ言って、電話は切れた。

その時は、

それで終わったと思っていた。

——でも違った。

帰宅したのは、

数時間後。

家の近くの公園に、

見覚えのある二人の姿があった。

義兄嫁と、

姪だった。

ベンチに座って、

こちらを見ていた。

嫌な予感しかしなかった。

近づくと、

義兄嫁が立ち上がった。

そして、感情を抑えた声で言った。

「娘、ずっと泣いてたんです」

それだけだった。

責めるでもなく、

でも明らかに責めている言い方。

私は一瞬だけ黙った。

でも、すぐに思った。

——それ、私の責任?

「迎えが遅れたのは、大変でしたね」

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まずそう言った。

でも、そのまま続けた。

「ただ、私は最初から無理だとお伝えしてます」

義兄嫁の表情が、

少しだけ強張った。

「でも、あのまま放っておくしかなかったんですか?」

来た。

完全にこちらに寄せてくる流れ。

私はため息をつきそうになったのを、

ぐっと抑えた。

そして、静かに言った。

「それを言うなら、コストコに行くタイミングの問題ですよね」

一瞬、空気が止まった。

「……え?」

義兄嫁が固まる。

私はそのまま続けた。

「迎えの時間が決まっているのに、遠出していたのはご自身ですよね」

「渋滞も含めて、想定できたと思います」

さっきまでの勢いが、

完全に止まった。

言い返せなくなっていた。

私はさらに一言だけ足した。

「次からは、ご家族に頼まれた方が確実だと思います」

その一言で、

完全に空気が変わった。

義兄嫁の目に、

うっすら涙が浮かぶ。

「……もういいです」

小さな声だった。

「もう頼みませんから」

そのまま姪の手を引いて、

帰っていった。

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後日、

義兄から夫に連絡が入った。

話はすでに共有されていた。

そして、義兄嫁からも電話が来た。

「この前はすみませんでした」

棒読みだった。

でも、そのあとに続いた言葉で、

本音が出た。

「主人が仕事中なのに、こんなことで迷惑かけてしまって…」

どこか、

私を責めるニュアンスが混ざっていた。

私は間を置いて、言った。

「次からは、義両親にお願いされた方がいいですね」

「その方が、確実ですし」

少し沈黙があって、

そのあと、

泣き声が聞こえた。

「もう頼まないです…」

「コストコなんて、もう行かない…」

そのまま電話は切れた。

正直、

スッキリしたかと言われると微妙だった。

でも——

あの時、引かなくてよかったと思う。

一度でも引けば、

きっとまた同じことが起きる。

そして思った。

「困ってる」ことと、

「押し付けていい」ことは、

まったく別の話だと思う。

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