「最後にお風呂入ったのいつ?」――小1の私が保健室に呼ばれ、初めて知った“家の異常”
2026/05/30

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小学1年生のある日、授業中に担任の先生から「ちょっと保健室に来てくれる?」と声をかけられた。

私は何か失敗したのだろうかと不安になりながら、先生の後ろを歩いた。

保健室には養護の先生もいた。

二人とも優しく笑っていたが、どこか様子が違った。

担任の先生は椅子に座らせると、静かに聞いた。

「最後にお風呂に入ったのはいつ?」

私は不思議に思いながら答えた。

「昨日です」

すると先生はさらに尋ねた。

「いつもお風呂には入ってる?」

「毎日です」

私は当然のように答えた。

だが先生は私の頭にそっと手を伸ばし、髪をかき分けた。

その瞬間だった。

先生の表情がわずかに曇った。

「あー……こびりついてるね」

隣にいた養護の先生も顔を見合わせた。

後になって知ったことだが、私の頭皮には皮脂や汚れが固まり、髪もべたついていたらしい。

母は毎日「髪を洗ったよ」と言っていた。

けれど実際には、水で濡らしていただけだった。

シャンプーもなければ、しっかりすすぐこともない。

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ドライヤーで乾かした記憶もなかった。

でも当時の私は、それが普通だと思っていた。

他の家も同じだと思っていた。

だから先生たちが驚いている理由が分からなかった。

そんな私に、養護の先生は温かいタオルを持ってきてくれた。

そして優しく言った。

「あなたが悪いんじゃないよ」

その言葉を聞いた瞬間、なぜか涙があふれた。

怒られたわけでもない。

責められたわけでもない。

それなのに涙が止まらなかった。

今振り返ると、あの時初めて誰かが私の異変に気づいてくれたのだと思う。

家では当たり前だったこと。

誰にも相談できなかったこと。

それを「おかしい」と教えてくれた大人がいた。

あの日の保健室で私は初めて知った。

子どもは、自分の育った環境しか知らない。

だからこそ、本当に救いになるのは叱ることではなく、「あなたは悪くない」と言ってくれる大人の存在なのだと。

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