私は45歳のシングルマザー。都内のマンションで高校3年の長女と中学2年の次女と三人で暮らしている。大手企業で管理職として働きながら、忙しくも穏やかな毎日を送っている。
二年前、私は夫と離婚した。理由は暴言、暴力、借金、そして浮気。娘たちも父親と暮らすことを強く拒み、親権は私に決まった。慰謝料も養育費も受け取っていない。それでも、あの人と縁が切れただけで十分だと思っていた。
結婚当初、夫はまったく違う人だった。見合いで出会った彼は紳士的で、優しく、理想の男性に見えた。しかし結婚後、義実家での生活が始まると状況は一変する。義妹は兄に異常な執着を持ち、私への嫌がらせを繰り返した。義両親も夫もそれを止めず、私は家政婦のように扱われた。
やがて別居すると、夫の本性はさらに露わになった。酒浸りの日々、暴力、借金、そしてキャバクラ通い。会社の金を横領して解雇されても反省はなく、娘たちの前でも平然と私に手を上げた。
決定的だったのは、娘たちが父親の浮気現場を目撃した日だった。「もう無理」と泣く娘たちの声を聞き、私は離婚を決意した。実家に逃げ帰り、父の紹介で弁護士を立てて離婚が成立した。
それから平穏な日々が続いていたが、最近になって元夫の家族が娘たちに会いたいと言い出した。弁護士立ち会いのもと義実家を訪れると、娘たちは冷たく言い放った。
「今さら父親なんて必要ありません」
義妹が私を罵ったが、私は微笑んで言い返した。「離婚は卑怯だと言っていましたよね。では、離婚して戻ってきたあなたも卑怯者ですね」
言葉に詰まる義妹を見て、娘たちも容赦なく反撃した。義実家は沈黙し、私たちはそのまま帰ることにした。
帰り際、元夫が手を伸ばしてきた瞬間、私は手土産のシュークリームを彼の顔に投げつけた。
「あなたには潰れたシュークリームがお似合いよ」
弁護士は苦笑しながらも正当防衛だと言ってくれた。それ以来、義実家から連絡は来ていない。
実はあの日、彼らは私と復縁させて生活を支えさせるつもりだったらしい。
もちろん断った。そして今は娘たちの権利として、わずかな養育費だけを請求している。
新しい町で、親子三人。
今日も静かで穏やかな日々を過ごしている。