結婚当初、俺は正直に言えば、嫁の財産目当てだった。決して美人ではない、少しぽっちゃりした女性だ。だが、結婚して数日、彼女はにこやかに言った。
「外で遊んでいいよ」
心の中でガッツポーズ。自由時間を手に入れた俺は、早速趣味や友人との付き合いに精を出した。週末の釣り、飲み会、ゲームセンター――まさに自分だけの時間。嫁はいつも笑顔で送り出してくれる。こんなに楽な生活は初めてだった。
しかし半年が過ぎた頃、ある変化に気付いた。家に帰ると、嫁が新しい家電や家具を次々と導入している。最初は「ありがたい」と思ったが、次第に気になることが増えていった。財布の管理、光熱費の明細、毎月の預金額――俺の知らないうちに、全て嫁が掌握していたのだ。
そしてある夜、俺が遊びから帰宅すると、家の中は完璧に整理されており、冷蔵庫には俺の好きな料理が並んでいた。笑顔で迎える嫁の手には、俺の小遣いの使い道を示すリストが。そう、自由だと思っていた俺の時間は、実は全て嫁に監視されていたのだ。
「外で遊んでいいと言ったのは嘘じゃないわ。ただ、あなたが戻る時間は全部分かってる」
その瞬間、笑顔に隠された計算高さと、予想もしなかった展開に、俺はただ言葉を失った。自由だと思っていた生活は、嫁の策略によって逆に完全管理下に置かれていたのだ。