お粗末さまでした
2026/07/05

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結婚して三年、私は毎日欠かさず夫のご飯を作ってきた。

手間をかけ、栄養を考え、休みの日も手抜きをせず、家族のために食卓を整えてきた。

だけど夫は、毎回食べ終わるたびに決まってこう言う。

「お粗末さまでした」

普通の人はただの冗談だと思うかもしれない。

でも、日本の礼儀を知っている人ならこの違和感が分かる。

「お粗末さまでした」は、ご飯を作った側が言う謙遜の言葉だ。

食べた側が言うべき言葉はただ一つ、「ごちそうさま」しかない。

夫はその礼儀を知っていながら、わざと逆の言葉を繰り返してくる。

毎日毎日、私の作った料理を「粗末なもの」だと遠回しに貶し、私の努力を全部無にする。

私は何度も気持ちを伝えた。

失礼だ、不快だ、やめてほしい、真剣に話し合おうともした。

なのに夫はいつも軽く笑って流し、「ただの冗談、気にしすぎ」と私の心を無視し続けた。

自分は優しい夫のフリをしながら、私の真心を踏みにじっていたのだ。

積もり積もった不満は、親戚の食事会でついに溢れ出た。

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その日も私は手料理を振る舞い、周りの人は美味しいと喜んでくれた。

それなのに夫は、いつものように大きな声で「お粗末さまでした」と言い放った。

周囲がぼんやり笑う空気の中、私はもう我慢しなかった。

私は静かに、だれにでも聞こえる声で真実を話した。

「これは冗談ではありません。

お粗末さまでしたは、料理を作った人が自分を謙遜する言葉です。

食べた人が言うのは、作った人の努力を否定する大変失礼な行為です。

夫は三年間、わざと私を見下すためにこの言葉を繰り返してきました」

一瞬にして場の空気は凍り、親戚たちは夫の無礼と意地悪をはっきりと知った。

その日を境に、私は夫のためにご飯を作るのを完全にやめた。

家事も世話も一切しない。

自分の料理を粗末だと思う人間に、尽くす理由などどこにもない。

今までの優しさは全部私の善意だっただけで、義務ではなかった。

毎日当たり前のように食事が出てくる生活に慣れきっていた夫は、たちまち生活が荒れていった。

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外食ばかりで体を崩し、部屋は散らかり、日々イライラするようになった。

ついに夫は私に謝罪し、もう二度とそんなことは言わないと泣きついてきた。

私は冷めた気持ちで答えた。

「私の努力がいつでもお粗末なら、もうあなたのために何も作る必要はありません。

感謝できない人に、優しさは届かないんです」

相手の真心を弄び、礼儀を履き違えて人を傷つけた人の結末は、やがて全部自業自得になる。

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