俺と嫁は俺の両親と同居してるんだが、仲の良かった弟が突然つっかかってきた。弟「兄貴は好きなことばっかりして両親に迷惑をかけている。兄貴夫婦は実家を食い物にする寄生虫だ」
2026/06/01

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弟とは昔から仲が良かった。

歳が離れていたこともあって、私にとっては弟というより半分息子みたいな存在だった。

小さい頃はよく面倒を見た。

ゲームもした。

一緒に出掛けもした。

だからまさか、あんな形で家族が壊れるなんて思ってもいなかった。

その年のお盆。

久しぶりに家族全員が揃った。

前日までは普通だった。

弟とも酒を飲みながら笑っていた。

異変が起きたのは数日後の夜だった。

仕事の話になった時だ。

私は自営業。

昔から好きだったことを仕事にしている。

決して楽な道ではなかったが、家族を養えるくらいにはなっていた。

ところが弟は突然言った。

「兄貴って努力したことないよな」

最初は冗談かと思った。

だが弟は真顔だった。

「家族を養うなら年収1000万は必要だろ」

「好きなことばっかりやってるじゃん」

「嫁をパートに出してる時点で終わってる」

価値観の違いだと思った。

まだ若い。

社会に出て数年だ。

だから私は笑って流そうとした。

それがいけなかった。

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弟の顔色が変わった。

そして次の瞬間、話は私ではなく妻へ向かった。

「高卒で飲食店のパートなんて、たかが知れてるよな」

その言葉を聞いた瞬間。

頭の中が真っ白になった。

妻は体が強くない。

それでも私の夢を応援してくれた。

何ヶ月も海外へ行く私を送り出してくれた。

実家もない。

頼れる親戚もいない。

それでも文句一つ言わず、両親とも良い関係を築こうと頑張ってくれていた。

そんな妻を見下した。

それだけでも許せなかった。

だが弟は止まらなかった。

「兄貴夫婦は実家を食い物にしてる寄生虫だ」

部屋の空気が凍った。

私は弟を見た。

弟も私を睨んでいた。

そして殴り合いになった。

今思えば情けない。

いい大人が兄弟喧嘩だ。

だがあの時は理性が飛んでいた。

両親が止めなければ、本当に取り返しのつかないことになっていたかもしれない。

騒ぎが収まった後。

弟は吐き捨てるように言った。

「もう二度と関わるな」

そして帰っていった。

私は翌日には後悔していた。

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手を出したこと。

笑ってしまったこと。

兄として冷静になれなかったこと。

だから謝ろうとした。

電話した。

繋がらない。

LINEした。

届かない。

全て拒否されていた。

それでも時間が経てば落ち着くだろうと思っていた。

兄弟なんだから。

いつか話せる日が来ると思っていた。

だが本当の修羅場はそこからだった。

数週間後。

父と母に呼ばれた。

私は弟のことだと思った。

仲直りの話だと思った。

違った。

父は疲れた顔で言った。

「もう限界だ」

母は俯いていた。

そして告げられた。

「どちらの味方もできない」

「だから、お前たち夫婦も家を出ていってくれ」

言葉が出なかった。

私は弟に絶縁されたと思っていた。

だが違った。

失ったのは弟だけではなかった。

実家だった。

帰る場所だった。

家族だった。

隣を見ると、妻がいた。

一番傷付いたはずなのに。

一番酷いことを言われたはずなのに。

妻は静かに私の手を握った。

「大丈夫だよ」

そう言った。

その瞬間。

涙が出そうになった。

弟を失った。

実家も失った。

家族の形も壊れた。

それでも最後まで私の味方だったのは妻だった。

だから今は思う。

あの日、本当に守るべきだったのは実家じゃない。

家族じゃない。

私を信じ続けてくれた、この人だったんだと。

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