出産を終えた直後、私は疲れ切った体で分娩台に横たわっていた。
十か月間、お腹の中で大切に育ててきた赤ちゃんの泣き声が聞こえた瞬間、胸がいっぱいになり、涙が止まらなかった。
そばにいた夫も、目を真っ赤にして立っていた。
妊娠中から夫はずっと楽しみにしていた。
小さな服を選び、名前を考え、毎晩お腹に向かって話しかけていた。
だから私は、きっと誰よりも早く抱きたいと思っているのだろうと考えていた。
看護師さんが赤ちゃんをきれいに包み、夫の方へ向いた。
「お父さん、赤ちゃん抱っこしますか?」
しかし夫は、ゆっくり首を横に振った。
「いえ、まだ僕はいいです」
私は驚いて夫を見た。
あれほど楽しみにしていたのに、どうして断るのだろう。
看護師さんも少し戸惑ったように見えた。
すると夫は、震える声で続けた。
「最初に抱くのは、妻であってほしいんです」
「十か月間、ずっとこの子を守ってきたのは僕じゃありません」
「痛みに耐えて、命がけで産んだのも妻です」
「だから、僕が先に抱くわけにはいきません」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなった。
私は泣きながら赤ちゃんを抱いた。
小さくて、温かくて、信じられないほど重みのある命だった。
夫はその様子を見ながら、静かに涙を拭っていた。
しばらくして、私が「次はあなたの番だよ」と言うと、夫は両手を何度も拭き、恐る恐る赤ちゃんを受け取った。
その腕は不器用で、少し震えていた。
けれど、その表情は今まで見たことがないほど優しかった。
夫が抱っこを拒んだ理由は、冷たさではなかった。
それは、私と赤ちゃんへの深い敬意だった。