
回転寿司屋での出来事。
その日、俺はカウンターで軽く食事していた。
安い皿を何枚かと、きつねうどん。
財布に優しい、いつもの感じだ。
途中で隣に40代くらいのおっさんが座った。
そしてそいつ――高い皿ばかり取る。
大トロ、くじら、特選ネタ。
勢いよく15皿くらい食べていた。
「すげぇ食うな…」と思いながら、俺はうどんをすすっていた。
しばらくして、おっさんは食べ終わるとそのまま席を立った。
何も言わず、普通に店を出ていった。
そして俺も会計へ。
店員が言った。
「8,000円です。」
「……え?」
きつねうどん+安い皿7枚。
どう考えてもそんな値段じゃない。
「ちょっと待ってください、それ絶対おかしいですよ。」
すると店員が困った顔で言った。
「先ほどのお客様が“お連れ様が払います”と言ってまして…」
は?
「いやいや、知らない人ですよ。」
俺はすぐ説明した。
隣に座ってただけの完全な他人だと。
幸い、周りの客や店員も見ていた。
俺が先に座っていたことも証明された。
結果――
俺の会計は本来の金額、千円ちょっとで済んだ。
でも思った。
あのおっさん、
たぶん常習だ。
隣の客に会計を押し付けて逃げる。
もし周りが見てなかったら、
普通に8,000円払わされていたかもしれない。
回転寿司で学んだ教訓。
隣に座っただけの他人が、
まさか“財布役”にしてくるとは思わない。
でも世の中には――
本当にそういう奴がいる。