
「新幹線まで、あと25分だった。」
なのに、カーシェアの返却場所には知らない車が堂々と停まっていた。看板前に車止めまで置いて、まるで自分の駐車場のように。ナンバーを見ると、カーシェアとは無関係の普通車だった。
時計は残り20分。フロントガラスに挟まった紙には電話番号。すぐに電話をかけると、男は鼻で笑いながら言った。「急ぐなら電車乗らなきゃいいじゃん。」完全に舐められている。残り17分、待っていたら間に合わない。
仕方なく運営に電話すると、「空いている場所を探してください」と信じられない返答。録音する旨を告げると、声が変わり「今回は特例でこちらで処理します」と。
その時、男がスマホを見ながら歩いてきた。私は録音を伝える。駐車場の入口から管理会社の車も入り、スタッフが状況を確認。「ここはカーシェア専用です」と告げると、男は慌てて車を移動。数分前の余裕は消え、完全に狼狽していた。
写真とナンバーを記録し、私は返却手続きを完了。
時計は残り7分。全力で駅へ走り、ギリギリ滑り込みセーフ。
窓の外を見ながら、カーシェアの便利さを思う一方で、責任はいつも利用者側にあることを改めて痛感した。