新学期が始まり、教室には鉛筆やノート、けしゴムなどが並んだ棚があった。
小学二年生のユウタは、机に座りながらお母さんに言われた買い物メモを手に、そわそわしていた。
「ノートは100円で、ふで箱より20円安いんだって」と、ユウタはつぶやく。
その数字を頭の中でぐるぐる回していると、なんだか数学の問題みたいに思えてきた。
ふで箱の値段は?と考えたとき、ユウタは小さな手でメモを指さした。
「ノート100円+20円でふで箱は120円か…」
まだ6歳の彼にとって、数字を組み合わせて答えを導くのはちょっとした冒険だった。
次にけしゴムの番だ。棚にはカラフルなけしゴムが並んでいる。
ユウタは迷いながらも、計算を続けた。
「ふで箱120円-100円…いや、それはノートとふで箱の差か。じゃあけしゴムは50円くらいかな?」
自分で考えて答えを出す瞬間、目が輝いた。
買い物の順番も工夫しながら、ユウタはお金を数え、レジに並んだ。
「ノート100円、ふで箱120円、けしゴム50円…合計270円!」
小さな声で自分の計算を確認するたびに、心の中でガッツポーズ。
レジでお金を払った後、ユウタは満足そうに笑った。
ただの文房具の買い物が、ちょっとした算数の冒険になったのだ。
家に帰ると、お母さんがユウタの答えを見て驚き、
「ちゃんと自分で計算できたのね!すごいじゃない」
ユウタは得意げにうなずき、ノートとふで箱、けしゴムを大事そうに机に並べた。
日常の小さな買い物も、工夫と想像力で学びの時間になる――そんなことを、ユウタは初めて実感した一日だった。