マクドナルドの店内は、昼のピークを過ぎてもまだ人の流れが途切れていなかった。
レジに並んだ子連れの女性が、店員に注文する。
「M一つ、ポテト多めで」
店員は一瞬確認するように聞き返した。
「申し訳ありません。ポテトの量を増やす場合はLサイズ扱いになりますが、よろしいでしょうか?」
しかし女性は少し強い口調で言い返した。
「Mでいいです。ポテトの量だけ増やして」
店員は困ったように一度メニュー表を確認し、静かに説明を続けた。
「規定上、サイズごとに量が決まっておりますので、Mサイズでポテトのみ増量は対応できません」
そのやり取りが続き、後ろの列も少しざわつき始める。
女性は不満そうに眉をひそめたまま、再び同じ要求を繰り返した。
しかし最終的に店員はルール通りの対応を崩さなかった。
「それではMサイズではご提供できませんので、Lサイズでのご注文になります」
結果、女性はしばらく無言になった後、渋々Lサイズを注文することになった。
だが受け取り時、実際に出てきたのは当然“規定量のLポテト”。
袋を見た瞬間、女性は小さくため息をつき、何も言わずに席へ戻っていった。
その一部始終を見ていた客たちは、ルールを崩さない店員の対応に納得した様子で、静かに注文の列へと戻っていった。