毎日うちの敷地にシルバーカーを置くおばあさん——注意した瞬間、なぜか私が“危険な人”扱いされた
2026/05/10

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「また……ある」

朝、車に乗ろうとした瞬間、
私は足を止めた。

自宅の駐車スペースの隅に、
あのシルバーカーが今日も置かれている。

しかも今回は、
前よりもかなり内側。

明らかに、
“慣れてきている”。

最初は本当に、
たまたまだと思っていた。

家の前がバス停だから、
少しだけ置いてるのかなって。

でも違った。

一度、
二度、

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三度——

気づけば、
ほぼ毎日。

そのおばあさんは、
うちの敷地にシルバーカーを置き、
塀に腰掛けてバスを待ち、
そのまま普通に出かけていく。

帰ってきたら、
また当然みたいに取りに来る。

完全に、
“ここを使っていい場所”
として認識していた。

私はずっと我慢していた。

「高齢者だし……」

「困ってるのかも……」

「これくらいなら……」

そう思っていた。

でも、

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ある日。

事件が起きた。

いつも通り、
車を出そうとバックした瞬間——

突然、
後ろから怒鳴り声。

「危ないわね!!」

私はビクッとして急ブレーキを踏んだ。

振り返ると、
そこにはおばあさん。

シルバーカーを持ったまま、
ものすごい顔でこちらを睨んでいる。

「見えてなかったの!?
ぶつかるところだったわよ!」

……え?

いや待って。

なんで私が怒られてるの?

そもそも、
ここ私の家の敷地なんだけど。

でもおばあさんは止まらない。

「最近の人は本当に危ないわね!」

完全に、
“被害者”の顔だった。

その瞬間、
背筋がゾッとした。

もし今、
本当に接触してたら——

絶対、
私が悪者になってた。

今までのモヤモヤが、
一気に怒りへ変わった。

その日の夕方。

私は、
わざと外で待った。

そして予想通り、
おばあさんがシルバーカーを押してやってきた。

敷地へ入ろうとした瞬間、
私は声をかけた。

「ここ、

うちの敷地なんですけど」

おばあさんは、
一瞬だけこちらを見て、
すぐに言った。

「端っこだからいいでしょ?」

——出た。

しかも、
全く悪びれていない。

「毎日使ってるわけじゃないし」

「ちょっと置くだけよ」

「細かいわねぇ」

私は、
もう一歩も引かなかった。

「ここで事故が起きたら、
全部こちらの責任になるんです」

するとおばあさん、
少しだけ顔をしかめた。

でも、
まだ言い返してくる。

「そんな大げさな……」

その瞬間、
完全にスイッチが入った。

私はスマホを取り出し、
その場で電話をかけた。

「すみません、
自宅敷地内に無断で物が置かれていて、
持ち主の方が毎日侵入してくる状況なんですが——」

その瞬間。

おばあさんの顔色が変わった。

「ちょっと待って、
それはやりすぎじゃない?」

さっきまでの強気が、
一気に消えている。

私ははっきり言った。

「やりすぎじゃありません。
もう何度も続いているので」

さらに続けた。

「次また置かれていたら、
放置物として正式に対応してもらいます」

空気が止まった。

数秒後——

おばあさんは何も言わず、
シルバーカーを掴み、
そのまま道路側へ引いていった。

あんなに強気だった背中が、
妙に小さく見えた。

それ以来。

あのシルバーカーが、
うちの敷地に置かれることは、
一度もなくなった。

正直、
少しだけ罪悪感はある。

でも——

あの日、

はっきり分かった。

“優しさ”って、
非常識を許し続けることじゃない。

むしろ、
何も言わない方が、
もっと大きなトラブルになる。

もしあのまま我慢していたら。

きっと今頃、
私は本当に“加害者側”にされていたと思う。

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