「え、7000円でいいんですか?」
USJの地球儀前。
私は姪っ子と一緒に、
入園前から写真を撮って盛り上がっていた。
姪っ子にとって、
人生初のUSJ。
朝からずっとテンションが高くて、
「マリオ行きたい!」
「ミニオンも乗りたい!」
って、
目をキラキラさせていた。
そんな時だった。
突然、
二人組の女性に声をかけられた。
一人は金髪ロング、
もう一人はショートカット。
「すみません、
一人来られなくなっちゃって、
チケット余ってるんですけど買いませんか?」
そう言って見せられたチケット。
しかも、
7000円。
安い。
正直、
かなり安かった。
でもその瞬間、
心の奥で警戒心も動いていた。
——これ、
大丈夫?
騙されない?
頭の中で、
めちゃくちゃ葛藤した。
でも。
隣を見ると、
姪っ子が嬉しそうに地球儀を見上げている。
「早く入りたいね!」
その笑顔を見た瞬間、
私は思ってしまった。
もし本物なら、
かなりお得。
もし嘘でも、
今日だけは楽しい日にしたい。
私は財布を握りながら、
「お願いします」と言った。
でも、
完全には信用していなかった。
だから私は、
相手の特徴を全部覚えた。
金髪ロング。
ショートカット。
服装。
声。
身長。
全部。
万が一、
何かあった時のために。
そして、
チケットを受け取り、
そのまま入園ゲートへ向かった。
姪っ子は、
もう完全にUSJモード。
「わぁー!!」
テンションMAX。
でも私は、
まだ少しだけ不安だった。
そして——
スタッフがチケットを読み込んだ瞬間、
空気が変わった。
ピッ。
スタッフの顔が止まる。
「……あの、
こちらのチケットなんですが」
嫌な予感がした。
「すでに2025年11月に使用済みです」
……え?
一瞬、
頭が真っ白になった。
え、
何それ。
使用済み?
今、
何て言った?
姪っ子は隣で、
まだ何も分かっていない。
私は無理やり笑顔を作った。
「ちょっと待ってねー」
でも内心は、
完全にパニックだった。
やられた。
7000円、
普通に詐欺だった。
怒りで頭が熱くなる。
でも、
その場で崩れるわけにはいかなかった。
姪っ子の前だから。
私は深呼吸した。
そしてまず、
スマホを開いた。
相手の特徴をメモ。
時間。
場所。
やり取り。
全部残した。
さらに、
チケット画面も撮影。
そのあと、
SNSへ投稿した。
「USJ前でチケット詐欺に遭いました」
「金髪ロングとショートカットの二人組」
「7000円でも、
その場で必ず確認してください」
すると、
すぐに反応が来た。
「怖すぎる」
「うちも気をつけます」
「同じ人見たかも」
通知が止まらない。
その瞬間、
少しだけ思った。
あぁ、
投稿してよかった。
7000円は戻らない。
でも、
次の被害者を止められるかもしれない。
その後、
私は正規チケットを買い直した。
正直、
痛かった。
でも。
姪っ子が
「今日めっちゃ楽しい!!!」
って笑ってるのを見たら、
なんだか全部どうでもよくなった。
苦い思い出にはなった。
でも同時に、
忘れられない思い出にもなった。
そして私は、
心の中で静かに誓った。
——次は絶対、
騙されない。