今日、孫たちを連れて湘南モールへ向かう途中だった。
朝から、
本当に気分が良かった。
後部座席では、
孫たちがお菓子を食べながら笑ってる。
「じいちゃん、今日どこ行くの?」
「ゲーム見る!」
「クレープ食べたい!」
もう、
その声聞いてるだけで幸せだった。
年取ると分かる。
こういう時間って、
本当に宝物なんだよ。
でも。
世の中そう甘くない。
あの交差点だった。
私は完全に止まったつもりだった。
でも次の瞬間。
道路脇から、
警察官がスッと出てきた。
「あー、すみません。
一時停止です」
その瞬間、
心臓止まるかと思った。
後ろでは、
孫たちがキョトンとしてる。
私は車を端に寄せた。
警察官は慣れた手つきで、
淡々と言った。
「減点2点ですね」
「反則金7000円になります」
その瞬間、
頭の中で変な計算が始まった。
7000円あったら、
今日の昼飯もっと豪華にできたな。
孫のおもちゃも買えたな。
クレープ何個食えるんだこれ。
そう思った瞬間、
急に腹立ってきた。
いや、
もちろん違反したのはこっちだ。
でもさ。
なんか、
こういうのって、
いつも庶民ばっか狙われてる気がするんだよ。
高級車はスルーされて、
こういう普通の爺さんだけ止められてる気がして。
完全に被害妄想なんだけどな。
でもその時は、
本当にイライラしてた。
すると後ろから、
小さい声が聞こえた。
「じいちゃん、大丈夫?」
振り返ると、
孫が心配そうな顔してた。
その顔見た瞬間、
逆に冷静になった。
あぁ、
ダメだなって。
こんなんで機嫌悪くしてたら、
せっかくの一日が台無しだ。
私は深呼吸して、
警察官からチケットを受け取った。
「気をつけてくださいね」
そう言われて、
私は小さく頭を下げた。
正直、
まだムカついてた。
でも湘南モールに着いて、
孫たちと手を繋いで歩き始めた時だった。
小さい手が、
ギュッて握ってきた。
「じいちゃん早く!」
「こっちこっち!」
その瞬間。
さっきまでの怒りが、
少しずつ溶けていった。
不思議だった。
7000円失ったのに。
減点されたのに。
でも、
それ以上に大事なものが、
今ここにある気がした。
帰り道。
孫たちは、
今日買ったおもちゃを見せながら、
ずっと笑ってた。
「じいちゃんまた行こうね!」
その瞬間、
思わず笑ってしまった。
あぁ、
結局。
警察に勝つとか、
罰金がどうとかじゃないんだなって。
こうやって、
家族が笑ってくれてるだけで、
もう十分なんだなって。
今日の教訓。
怒りって、
意外とすぐ消える。
でも、
誰かと笑った記憶は、
ずっと残る。