車の座席の下から“しゃぶしゃぶ二人分”のレシートが出てきた。私は静かに証拠を集め始めた
2026/05/28

広告

車の座席の下に、ぐしゃっと折れたレシートが落ちていた。何気なく拾い上げた私は、その瞬間、心臓がドクンと跳ねた。そこには「しゃぶしゃぶ 二名様」の文字。しかも日付は、夫が「今日は一日仕事」と言っていた日だった。

私は子どもと家にいたはずなのに——。その瞬間、嫌な想像が頭をよぎる。実は夫には前科がある。だからこそ、「またなの?」という疑いが、一気に膨らんでしまった。

でも、ここで感情的になったら負けだと思った。私は深呼吸してレシートの写真を撮り、時間や店舗名を確認しながら、夫の行動と静かに照らし合わせ始めた。

とはいえ、頭の中はずっと落ち着かなかった。

もし本当に浮気だったら?

子どもはどうなる?
私はどうする?

考えれば考えるほど、
胸の奥がザワザワする。

でも同時に、

広告

「決定的な証拠もないのに暴走したくない」
という気持ちもあった。

だから私は、
まず夫にLINEを送った。

『今日、このレシート見つけたんだけど』

数秒迷ってから、
送信ボタンを押す。

既読はすぐについた。

でも返信が来ない。

その時間が、
異常に長く感じた。

私は子どもと遊びながらも、
ずっとスマホを気にしていた。

10分後。

やっと返信が来た。

『あー、それ同僚のやつ』

『昼休みに一緒に店入ったけど、
俺は途中で戻った』

『レシートだけ車に落ちてたっぽい』

広告

正直、
少しホッとした。

でも、
まだ完全には安心できない。

私はレシートをもう一度見た。

時間。

人数。

店舗。

全部確認する。

そして思った。

——ここまで来たなら、
最後まで確認しよう。

私は店に電話した。

「すみません、
少し確認したいことがあって…」

店員さんは丁寧に対応してくれた。

私はレシートの日時を伝え、
状況を説明した。

もちろん個人情報までは聞けない。

でも、
確認の途中で店員さんが言った。

「あ、その時間帯、


団体利用が重なってまして」

「二名で来店された方、
かなり多かったんですよ」

その瞬間、
少し肩の力が抜けた。

さらに夫に確認すると、
その日は会社の外回りチームで動いていたことも分かった。

最終的に、
全部つながった。

浮気ではなかった。

ただ、
レシートが車に落ちていただけ。

それだけだった。

私はソファに座り込み、
深く息を吐いた。

安心した。

でも同時に、

自分がここまで疑ってしまったことに、
少しだけ疲れた。

夜、
帰宅した夫が苦笑いしながら言った。

「なんか探偵みたいだったな」

私は思わず笑った。

「前科ある人が悪い」

そう返すと、
夫は気まずそうに黙った。

でも今回、
ひとつだけ分かったことがある。

疑うことより難しいのは、
“感情だけで決めつけないこと”なんだと思う。

あの時、
怒鳴っていたら。

勝手に決めつけていたら。

たぶん、
もっと面倒なことになっていた。

もちろん、


何もないのが一番いい。

でも、
不安になった時ほど、
冷静さって大事なんだなと、
今回すごく思った。

広告

AD
記事