マイホームを購入したとき、一番うれしかったのは自分専用の駐車場ができたことだった。
ところが引っ越して数週間後、その喜びは消えた。
毎日のように同じ配送トラックが私の駐車場へ無断駐車するようになったのだ。
最初は穏やかに注意した。
しかしドライバーは悪びれる様子もなく、
「この辺、停める場所ないんで」
と笑うだけ。
会社にも何度も連絡したが、その場しのぎの謝罪ばかりで状況は変わらなかった。
警察へ相談しても、
「私有地なので強制的には動けません」
と言われる始末。
そして一年以上我慢したある日、私は決めた。
トラックの前に自分の車を停め、そのまま予定されていた海外出張へ向かったのだ。
期間は一年。
翌日、ドライバーは真っ青になったらしい。
トラックは一歩も動かせず、配達は大幅に遅延。
会社には「事故」「故障」などと嘘の報告を繰り返し、最終的にはリアカーで荷物を運ぶ騒ぎになった。
しかし追い打ちをかけるように、会社はレンタカーを使って再び無断駐車。
完全に一線を越えた。
私はこれまで保存していた通話録音、防犯カメラ映像、日付記録をすべて提出した。
調査の結果、過去十五回以上の無断駐車が発覚。
虚偽報告まで明らかになり、会社は顧客への補償や契約解除対応に追われることになった。
最終的な損害額は約500万円。
後日、関係者から聞いた話では、ドライバーは厳しい処分を受けたという。
たった数分。
ちょっと停めただけ。
本人はそう思っていたのかもしれない。
だが他人の権利を軽く考え続けた結果、その代償は人生を大きく狂わせるほど重いものになったのだった。