マクドナルドのハンバーガーに使われている肉をめぐり、かつてネット上で大きな騒動が起きた。
発端となったのは、イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリヴァー氏が番組などで問題提起した「ピンクスライム」と呼ばれる加工牛肉の存在だった。くず肉や脂肪分を加工し、アンモニア処理で殺菌する製法が紹介され、多くの人が衝撃を受けた。
この話はやがて、「オリヴァー氏がマクドナルドを訴え、裁判で勝った」「肉が食品として不適切と認定された」といった形で拡散された。しかし、複数の検証によると、実際にそのような裁判で勝訴した事実は確認されていない。
一方で、マクドナルドが過去にアンモニア処理牛肉の使用をやめたと発表していたことは事実である。つまり、完全な作り話ではないが、ネット上で広がるうちに内容が大きく誇張されていった可能性が高い。
この騒動が私たちに突きつけたのは、ファストフードの怖さだけではない。食の安全に関心を持つこと、そして刺激的な情報をそのまま信じ込まないことの大切さだ。
「安くて早い」食べ物の裏側に何があるのか。
一度立ち止まって考えるきっかけには、十分すぎる出来事だった。