職場にはさまざまな世代が集まる。その中でも、何かと話題にされがちな「ゆとり世代」。今回は、そんな新人A君が起こした、思わず言葉を失う牛丼事件である。
ある日の昼休み、私はA君に二千円を渡して言った。
「これで普通の牛丼、人数分買ってきてくれ」
A君は「分かりました!」と元気よく返事をし、意気揚々と店へ向かった。新人らしい素直な態度に、私は特に不安も感じていなかった。
しばらくして、A君は袋を抱えて戻ってきた。しかも、やけに得意げな顔をしている。
「買ってきました!でも、お金が足りなかったので自腹で足しました!」
その言葉に、私は一瞬首をかしげた。二千円あれば普通の牛丼なら足りるはずだ。嫌な予感がして袋を開けた瞬間、私は固まった。
中に入っていたのは、全て特盛の牛丼だった。
「おい、普通の買ってこいって言ったよな?」
するとA君は、まったく悪びれる様子もなく答えた。
「はい。俺にとって普通は特盛なんで」
その瞬間、私は怒る気力さえ失った。
これは世代間ギャップなのか、それとも単なる食欲のギャップなのか。
ネット上でも意見は分かれた。「並盛って言えばよかった」「自腹で特盛にするなら有能」「指示が曖昧すぎる」など、A君を責めきれない声も多かった。
結局、この出来事が教えてくれたのは一つ。仕事の指示は、相手の“普通”に任せてはいけないということだ。
「普通の牛丼」ではなく、「並盛」と言うべきだった。
そう考えると、悪いのはA君だけではなかったのかもしれない。