私の名前は龍頭ミク、45歳。
今は再婚して、夫と三人の子どもに囲まれて幸せに暮らしている。
娘のりんと有沙は連れ子、息子のジュは再婚後に生まれた子だ。
そんな私が買い物中、十五年ぶりに元夫の陽太と再会した。
しかも隣には、離婚原因になった愛人のあみと、その息子だという健までいた。
陽太は得意げに「俺の息子は俺に似て天才だ」と言い、私にまで「お前はまだ不妊だろ」と見下してきた。
私は呆れながらも、「じゃあ私の息子も紹介するね」と返した。
実は私は、陽太と離婚後すぐに再婚していた。
今の夫は実業家で、娘たちも新しい父に大切にされ、りんは海外の大学、有沙は名門女子高へ進んだ。
その話を聞いた陽太とあみは悔しそうに顔を歪めた。
さらに私が「りんはミスキャンパスに選ばれた」と伝えると、二人はますます動揺した。
そこへジュが戻ってきた。
帽子とマスクを外した瞬間、陽太もあみも絶句した。
ジュは今売り出し中の若手俳優で、すでに注目されている存在だったのだ。
その時、健も戻ってきてジュを見るなり親しげに声をかけた。
二人は知り合いだったのである。
ところが次の瞬間、健は陽太を睨みつけて言った。
「俺はこの男の息子じゃない」
あみが青ざめる中、健は自分の血液型が両親と合わないこと、昔あみに本当の父親は別にいると聞かされていたことを明かした。
陽太は顔を真っ赤にして激怒し、あみは取り乱した。
その場は一気に修羅場になった。
私はもう関わる気もなく、ジュとその場を離れた。
後日、陽太とあみは離婚し、健は祖父母に引き取られたと聞いた。
一方の私は、今の家族と穏やかに暮らしている。
あの日あらためて思った。
離婚して本当に正解だったのだと。