某ファミレスの喫煙席で、私はいつものようにタバコに火をつけていた。周囲は比較的空いており、特に問題が起きるような雰囲気ではなかった。
しかし数分後、向かいの席にいた女性が突然こちらに声をかけてきた。
「煙草やめてくれませんか?妊婦なんですけど」
その言葉に、私は一瞬だけ手を止めた。だが、店内は喫煙席であり、利用ルール上は問題ない状況だった。私は淡々と答えた。
「何言ってるかわかんないです」
そう言って、再びタバコに火をつけた。
女性は驚いたような表情を浮かべたが、それ以上は何も言わず、その場は不穏な空気だけが残った。
周囲の視線も一瞬こちらに集まったが、喫煙席という前提がある以上、明確な違反行為は存在しない。私は静かに煙を吐きながら、ただ時間を過ごしていた。
やがて店内は通常の雰囲気に戻り、私はそのまま食事を続けた。
しかしその後、店側のスタッフが状況を把握し、喫煙エリアの運用ルールや分煙の説明について改めて確認が入ることになった。
一見些細なやり取りだったが、「ルール」と「配慮」の境界がどこにあるのかを考えさせられる出来事として、店内に小さな余韻だけが残った。