妊娠が分かった頃、私は「子どもが生まれれば義母も変わってくれる」と信じていた。
結婚前は穏やかな人だった義母は、同居を始めた途端に豹変した。
家事は全部私任せ。
少しでも休めば「怠け者」。
つわりで苦しんでいても、「働いてお金を入れなさい」と毎日のように責められた。
それでも私は笑顔で耐えた。
夫も義母を何度も注意してくれていたし、家族になれる日が来ると信じていたからだ。
その考えが壊れたのは、ある日の夕方だった。
掃除を終えて階段を下りようとした瞬間、背中に強い衝撃が走った。
振り向く間もなく体が前へ投げ出される。
必死に手すりをつかみ、体をひねって背中から転落した。
お腹だけは絶対に守らなければ。
激痛の中で顔を上げると、義母は私を見下ろしながら舌打ちをし、そのまま自室へ戻っていった。
幸い赤ちゃんは無事だった。
しかし、私の中で義母を家族だと思う気持ちは、その瞬間に完全に消えた。
夫にすべてを話すと、義母は開き直った。
「子どもなんか生まれたら、息子は私を見なくなる!」
「全部この女のせい!」
夫は静かに荷物をまとめ、義母をアパートへ移した。
「もう一緒には暮らせない。」
その一言で同居生活は終わった。
ところが数か月後、義母は突然新居へ押しかけてきた。
玄関を激しく叩きながら、
「息子を返せ!」
「慰謝料を払え!」
「この家も私によこせ!」
近所中に響く大声で叫び続ける。
私は二階の窓からその様子を動画で撮影し、仕事中の夫へ送った。
夫は迷わず警察へ通報。
駆け付けた警察官に暴れ続ける義母は、そのまま連れて行かれた。
その後、夫は義母に最後通告をした。
「母さんを通報したのは俺だ。妻は最後まで『大ごとにしたくない』と言っていた。でも俺はもう許せない。二度と妻と娘には近づくな。」
その言葉を境に、夫は義母との関係を断った。
私たちは住んでいた家も売却し、実家近くへ引っ越した。
新しい住所を義母に知らせることはなかった。
家を失ったわけではない。
ようやく、家族が安心して暮らせる「本当の家」を手に入れたのだから。