結婚式当日。
新郎の妹、中学生の彼女はセーラー服で式に参加していた。
親戚や新婦の同僚たちは一斉に非難した。
「葬式にでも来たつもりか!」「TPOもわきまえないバカ!」
声のトーンは容赦なく、彼女は立ったまま小さく震えていた。
泣きそうな顔を見た瞬間、私の頭に血が上った。
たしかに格式ある式ではあったが、まだ中学生の妹だ。
服装の選択を怒鳴りつける大人たちの態度に、怒りしか感じなかった。
私はその場で口を開いた。
「ちょっと待ってください!」
親戚や同僚の顔が一斉にこちらを向く。
「彼女は中学生です。正しいTPOを学ぶ機会を奪うような言い方はやめなさい!」
私は声を強め、彼女の肩にそっと手を置いた。
涙目の妹は、私に少しだけ安心したようにうなずいた。
その後、周囲の空気は一変した。
批判していた大人たちは黙り込み、ぎこちなく視線をそらす。
妹は式に参加し続けることができ、泣き顔は次第に笑顔に変わった。
結婚式の華やかな空気の中で、ほんの一瞬だけだったが、
「弱い者を守ることの大切さ」をみんなに見せつけられた瞬間だった。