面接室に座り、緊張で手が少し震えていた。面接官が書類を見ながら、口を開いた。「前職を辞めた理由は?」
私は迷わず答えた。「ほぼ毎日、10時間の残業で体がもちませんでした。」
すると面接官は、鼻で笑いながら言った。「たった1時間の残業でねをあげるようじゃ、うちではやっていけないよw」
私は一瞬、耳を疑った。目の前の男性は、私が話した数字を完全に聞き間違えているようだった。冷静さを保ちながら、私は少し声を強めて言った。「10時間です。毎日です。」
面接官の表情が一気に変わった。驚きと軽く引きつった笑いが混ざった顔で、「あ、10時間…ですか…」と呟く。その瞬間、私の中で小さな勝利感が芽生えた。これまで何度も聞き流されてきた事実が、ようやく認められたのだ。
私はさらに続けた。「残業1時間と10時間では、体への負荷がまったく違います。健康を守りつつ、効率的に仕事をする方法を学びたいと思い、退職を決めました。」
面接官は黙り込み、書類に目を落とす。沈黙の間に、私の言葉の重みが部屋に広がった。最初は笑われたが、今ではその表情が少し硬くなり、簡単に軽視できないことを理解しているようだった。
結局、面接官は頷き、次の質問に移った。私は深呼吸をし、冷静さを取り戻す。体験した理不尽を、正確に伝え、相手に理解させる。たったこれだけのことが、時に最大の武器になるのだと実感した瞬間だった。