ぼく「この『ウナギアタマ』ってのください!」店員「!?」ぼく「だから『ウナギアタマ』!!」→店員のせいで恥かいたわ。もう二度とあの店いかねーよ。
2026/06/23

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ぼくは昼休みに、前から気になっていた和食屋へ入った。

店内は落ち着いた雰囲気で、壁には筆文字のメニューがずらりと並んでいた。

その中で、ひときわ目に入ったのが「ウナギアタマ」と読める一品だった。

珍しい料理だと思ったぼくは、少し得意げに店員を呼んだ。

「すみません、この『ウナギアタマ』ってのください!」

店員は一瞬、目を丸くした。

「……え?」

聞こえなかったのだと思い、ぼくはもう一度はっきり言った。

「だから、ウナギアタマです!」

その瞬間、近くの席の客が小さく吹き出した。

店員は困った顔でメニューを指さしながら、静かに言った。

「お客様、こちらは『うなぎ蒲焼き定食』でございます。筆文字で少し読みにくくなっておりまして……」

顔が一気に熱くなった。

確かに、よく見ると「蒲」の字が崩れていて、ぼくには完全に「頭」に見えていた。

それでも、その場の空気があまりにも恥ずかしくて、ぼくはつい強がってしまった。

「いや、分かりにくすぎるでしょ。

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普通読めないって」

店員は丁寧に頭を下げたが、隣の客はまだ肩を震わせていた。

料理はおいしかった。

悔しいくらいにおいしかった。

けれど会計を済ませて店を出たあとも、「ウナギアタマください!」と大声で言った自分の声が頭から離れなかった。

もう二度とあの店には行かない。

味の問題ではない。

ぼくの中の小さなプライドが、あの筆文字の前で完全に焼かれてしまったのだ。

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