新婦・ミミは、新郎である和春の実母・綾子に一本の電話を入れた。「結婚式には来ないでください」。その要求の背景には、綾子が母子家庭で和春を育ててきたという事実への蔑視があった。ミミは「上流階級の令嬢」として、自らの結婚式にふさわしくない要素を一切排除しようとしていた。
彼女は既に、新郎の母親役として演員を手配し、余興のバイオリン演奏も別の人物に依頼済みだと告げる。和春には事後承諾を得る予定だという、傲慢なまでの計画だった。「どうせ離婚した片親なんて、良いイメージがないでしょう」。ミミの言葉は、姑の人格と人生そのものを否定するものだった。
しかし、式直前、ミミの母親から衝撃の事実が伝えられる。綾子のフルネームを検索するよう促され、ミミが目にしたのは、彼女が国際的に著名なバイオリン奏者であるというプロフィールだった。地味な印象とは裏腹に、芸術界で高い評価を受ける人物であったのだ。
慌てて態度を翻し、式への招待を急ぐミミだったが、時既に遅し。
真実を知った和春は、招待客全員の前で結婚式の中止を宣言。新婦による姑への不当な排除工作と欺瞞が露見し、両家の親族を激怒させた。
結果、大規模な結婚式を一方的にキャンセルしたことによる莫大な違約金と慰謝料は、全てミミ側の負担となった。社会的信用も大きく傷つき、彼女の傲慢な振る舞いは、経済的にも人間的にも破滅的な代償を伴う結果となったのである。一方、和春は母の勧めで新天地への歩みを始めた。見かけと偏見に基づいた差別的な選択が、全てを台無しにしたのであった。