大学の講義がなく、私は予定より早く家へ帰った。玄関を見ると、妹の彼氏とその両親の靴が並んでいる。
「結婚の挨拶かな?」
そう思いながら、自分の部屋へ向かった。
だが次の瞬間。
「このバカ女!」
突然、怒鳴り声が響いた。驚いた私は慌てて応接間へ向かう。
そこでは妹が泣いていた。テーブルには写真が置かれ、妹の彼氏は怒りで顔を真っ赤にしている。
彼は、妹が浮気したと言い始めた。しかも婚約まで考えていたのに裏切られたという。
私は写真を覗き込み、息を呑んだ。
そこには、知らない男性と楽しそうに話す女性の姿。
しかし次の瞬間、私は凍りつく。
写っていたのは――私だった。
彼は「○月○日に男と会っていただろ」と妹を責め続ける。妹は慌ててシフト表を持ってきた。
「その日、私ずっとバイトだった!」
だが彼氏は聞かない。
「どうせ休んだんだろ!」
空気は最悪だった。
妹は高校時代、恋愛関係で色々あった。そのせいで彼氏は疑い深くなっていたのだ。
すると彼の母親が口を開く。
「こんな浮気する女とは別れなさい」
その瞬間、私は思わず叫んだ。
「その写真、私です!」
全員が固まった。
実は私と妹は双子レベルで顔が似ていた。遠目では見分けがつかないほどだった。
しかも写真の日、私は男友達と冗談で手を繋いで歩いていた。それを撮られ、誤解されたのだ。
私はLINE履歴や当日の服装写真を見せて説明した。
すると彼の父親と祖父が激怒した。
「自分の彼女と姉の区別もつかないのか!」
彼氏は青ざめ、妹へ頭を下げた。
「信じられない俺に、お前の隣にいる資格はない」
そして、そのまま別れを告げた。
後日、妹は泣きながら私に言った。
「お姉ちゃんのせいで別れたんだから責任取って!」
私は何とも言えない気持ちのまま、深いため息をついた。