妻と喧嘩した次の日に帰宅すると、離婚届が置かれており、俺はそれを提出した。 家を出て一ヶ月後、彼女がいきなり家を訪れ、俺の名前は英明、年齢は三十八歳。 俺と妻の陽子は結婚して十年を迎えていた。義父は一年前に義母に先立たれ、近所で一人暮らしをしていた。 義父は小さい頃から娘を溺愛しており、頻繁に家に来るようになった。 それならまだしも、結婚当初から在宅ワークをしている俺を気に入らない様子で、外で働いて稼ぐ妻を引き合いに出して毎回嫌味を言ってきた。 「陽子が外で稼いでいる間、俺はゴロゴロしているのか?」 「いや、ゴロゴロしてませんよ。私は在宅で仕事してますから。」 「男なら外でバリバリ稼げよ、陽子みたいにな。」 最初は笑って流していたが…。(続)
2026/05/18

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英明、38歳。俺はフリーランスとして働き、妻の陽子は銀行員として働いていた。

結婚当初は順調だった。だが問題は、義父だった。

義父は頻繁に家へ来ては、在宅で働く俺を見下した。

「男なら外で働け」「家でゴロゴロしてるだけだろ」

陽子もいつも義父の味方だった。俺が反論すると、二人で責め立ててくる。

そんな生活が続いたある日。夕食中、陽子が突然言った。

「新しいマンションに引っ越すから」

俺は反発する気力もなく了承した。

だが引っ越しても状況は変わらなかった。義父は毎日のように来て、俺を馬鹿にする。

「お父さんを呼ぶの控えてくれ」

そう頼んでも、陽子は、

「家族なんだから普通でしょ」

と言い返した。

ある日、言い争いのまま俺は打ち合わせへ向かった。帰宅すると、リビングのテーブルに離婚届が置かれていた。

義父はニヤニヤ笑いながら、

「お前も出ていけばいい」

と言った。

陽子も冷たい目で、

「本気で離婚したいんでしょ?」

と言い放った。

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俺は黙って荷物をまとめた。

「本当にいいんだな?」

最後に確認すると、陽子は、

「頭冷やしてくれば?」

とだけ返した。

俺は離婚届を提出し、家を出た。

一か月後。新居のインターホンが鳴った。

モニターには陽子と義父が映っていた。

部屋へ入れると、義父が驚いた顔で聞いた。

「このマンション、陽子のじゃないのか?」

俺は静かに答えた。

「俺が買った部屋だ」

義父は陽子を見た。陽子は青ざめ、黙り込んだ。

次の瞬間。陽子は床へ膝をつき、泣きながら頭を下げた。

「お願い、やり直したいの」

だが俺は首を振った。

「もう他人だよ」

陽子は泣き崩れたが、俺はその手を振り払った。

その後、陽子と義父は古いアパートで暮らしているらしい。

俺は今日も、新しい技術を学びながら静かに働いている。

あの日、家を出て正解だった。

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