ある日、夫がまた私の両親を馬鹿にした。
「中卒の親父がやってる町工場なんて恥ずかしい」
私は限界だった。静かに「もういい加減にして」と言い、そのまま家を出た。
出社後、上司に呼ばれて社長室へ向かう。中へ入ると、父と見知らぬ若い男性が座っていた。
男性は土田と名乗り、不安そうに口を開いた。
父の会社と取引していた部品の発注先が突然変更され、自分もプロジェクトから外されたという。さらに、その原因を作った上司が、私の夫だと告げられた。
しかも夫は、お気に入りの女性社員をサブリーダーに昇格させ、その女性と親密な関係にあるらしい。
私は浮気の証拠を尋ねた。
すると土田さんは、
「会議室や資料室から二人で出てくるところを何度も見ました」
と話した。ホテルへ入る姿も目撃されているという。
私はすぐ調査を依頼した。
数日後。大量の証拠が届いた。
その夜、帰宅した夫へ私は静かに告げた。
「あなたの浮気の証拠、全部そろいました」
夫は最初とぼけたが、証拠写真を並べると態度を変えた。
「最初から別れるつもりだった」
夫は開き直るように笑った。
私は離婚届を差し出した。夫は抵抗もせず署名した。
翌日。会社では役員会議が開かれた。
土田さんたちが告発し、夫は浮気と職務怠慢を認めることになった。結果、夫は処分を受け、不倫相手の女性社員も退職した。
私は弁護士を通じて慰謝料を請求し、養育費も正式に決めた。
夫は減給され、苦しい生活になったらしい。
一方で私は仕事へ復帰した。父の仕事を誇りに思いながら、息子と新しい生活を始めている。