満員電車の中で、突然目の前の女性が崩れ落ちた。
周囲が悲鳴を上げる中、俺は迷わず駅員にAEDを頼み、必死で救命処置をした。
幸い女性は息を吹き返したが、そのせいで会社には大遅刻。
事情を説明しても、上司は鼻で笑った。
「AED?美人助けてヒーロー気取りかよ」
さらに皆の前で、
「訴えられて人生終了はさすが中卒w」
とまで言い放った。
俺は悔しかったが、命を救えたならそれでいいと思って黙っていた。
ところが数日後、社長室が騒然となった。
社長が震える手で電話を置き、真っ青な顔でつぶやいた。
「とんでもないことになった…」
その直後、会社に一人の女性が現れた。
あの日助けた、あの美人だった。
けれど彼女は笑っていなかった。
まっすぐ上司を見つめ、低い声で言った。
「命の恩人を侮辱したのは、あなたですか?」
その瞬間、上司の顔から一気に余裕が消えた。