職業体験初日から、違和感はあった。
時間を過ぎても来ない。
やっと来たと思えば、謝罪もなし。
それでも最初だからと、私は流した。
だが問題はそこからだった。
仕事を教えても、返ってくるのは「だるい」「めんどくさい」。
接客中でも小声で文句。
一人がそういう態度を取ると、残りの二人もすぐに同じになる。
完全にナメられていた。
さすがにまずいと思い、店長に相談した。
だが返ってきたのは予想外の言葉だった。
「大目に見てあげて」
正直、耳を疑った。
「このままだと現場に影響出ますよ」と言っても、
「まだ初日だから」と流される。
その瞬間、はっきり分かった。
——誰も止めないんだな、と。
それからは我慢だった。
何を言っても変わらない。
注意しても、その場だけ。
そして最終日。
事件が起きた。
一人の中学生が、他のスタッフに向かって小さく言った。
「うるせーな、ババア」
その瞬間、空気が止まった。
今までは我慢していた。
でも、この一言で完全に限界を超えた。
私はその場で言った。
「じゃあ帰っていいよ」
三人とも一瞬固まった。
「え?」
私は続けた。
「仕事する気ないなら、ここにいる意味ないでしょ」
静まり返る店内。
周りのスタッフも見ている。
さらに一歩踏み込んだ。
「職業体験って、“遊びに来る場所”じゃないから」
誰も何も言えなかった。
さっきまでの態度は完全に消えていた。
そのタイミングで店長が出てきた。
状況を見て、ようやく動いた。
「ちょっとこっち来なさい」
三人は呼び出され、そのまま厳しく叱られていた。
最初からこれをやっていればよかったのに、と思った。
でも、もうどうでもよかった。
あの一言で十分だった。
最後に三人は謝ってきた。
でも、正直もう遅いと思った。
態度は、その場で作るものじゃない。
普段から出るものだから。
今回で一つだけ分かった。
ナメられる環境って、
ナメられる側が作ってしまうこともある。
だから次からは、最初で止める。
我慢する前に、線を引く。
ナメられた瞬間に止めないと、最後は全部崩れる。