2歳の双子との生活は、正直きれいごとでは回らない。
朝から同時に泣き、同時に抱っこをせがみ、同時に転ぶ。
一日中、息をつく暇もない。
それでも、私は一人でやってきた。
夫は「仕事が忙しい」と言って、ほとんど関わらない。
帰ってきてもスマホ。
休みの日も寝ているだけ。
それが当たり前になっていた。
その日、夫は妙に機嫌が良かった。
そして突然、笑いながら言った。
「お前の妹を妊娠させたw 離婚だw」
一瞬、頭が真っ白になった。
でも、すぐに現実に戻った。
私は静かに言った。
「……本当に?」
「本当。もう終わり。お前は用無し」
その言葉を聞いて、私は決めた。
泣く必要はない。
取り乱す必要もない。
私は淡々と、双子の口元を拭いてから言った。
「じゃあ、双子も連れてってね」
夫の笑いが止まった。
「は?」
「離婚するなら、あなたが引き取って」
その瞬間、夫は怒り出した。
「ふざけんな!母親だろ!」
ここで、確信した。
この人は、何も分かっていない。
私は引き出しからファイルを取り出した。
そして一枚の書類を出す。
「双子の出生届、あなたの署名ないよね」
夫の動きが止まる。
「……は?」
「あなた、出産にも来なかった。だから全部、私一人で出した」
夫は強がって言った。
「でも俺の子だろ!」
私は冷静に続けた。
「それを証明する手続き、あなた一度もしてない」
空気が変わった。
さらに、私は決定的な一言を出した。
「それにあなた、“父親になる自信ないから書類に名前入れないで”って言ったよね」
夫の顔色が一気に変わる。
「録音、残ってるよ」
その瞬間、すべてが崩れた。
さっきまでの余裕は完全に消えた。
私は追い打ちをかける。
「離婚したいならいい。でもその前に、認知、養育費、全部法的にやる」
夫は言葉を失った。
彼の中では、
“離婚=自由”だった。
でも現実は違う。
責任は消えない。
私は最後に静かに言った。
「どうする?」
夫は震える声で言った。
「……俺、どうすればいい」
私は一言だけ返した。
「責任を取る。それだけ」
母親は、すべてを背負う存在じゃない。
“背負うべき人間に、背負わせる存在”だ。