新幹線の自由席で、おばさん2人組が三列席の真ん中を荷物と弁当で占拠していた。
テーブルを全部下ろし、まるで自分たちの個室みたいに大声で笑っている。
座ろうとした人には、
「ここ使ってるから座らないで?」
と一言。
周囲は面倒を避け、別車両へ移っていった。
その時、疲れ切った親子連れが入ってきた。
子どもは眠そうで、母親も荷物を抱えて限界そうだった。
私は笑顔で真ん中の席を指差した。
「そこ、座りますね」
おばさん達は顔をしかめた。
「荷物置いてるんだけど?」
私が「ここ、自由席ですよね」と返すと、近くにいた車掌さんがちょうど通りかかった。
事情を聞いた車掌さんはきっぱり言った。
「お荷物で座席を確保することはできません」
さっきまで強気だった2人の顔が一気に引きつった。
荷物と弁当を慌てて片付ける姿に、車内の空気が少しだけ軽くなった。