夫がニヤニヤしながら赤ちゃんを見て、「早く産んでくれよ」と言うのを聞き、私は一度その顔を見てから、静かに口を開いた。「え、もう生まれてるじゃない。その子、あなたの子でしょ」その瞬間、場は凍りついた――ここから私の反撃が始まる。
私は裕子、32歳の会社員。夫・秋人とは友人の紹介で出会い、同い年で話も合い、交際を経て結婚した。プロポーズを受けたとき、ようやく自分も幸せになれると思った。妹の瞳にも祝福され、私たちは家族として穏やかな日々を過ごしていた。
両親を事故で亡くしてから、私は妹を育ててきた。学費も生活も支え、彼女が安心して成長できるよう必死に働いた。だからこそ、結婚後に夫が妹を大切にしてくれることが、何より嬉しかった。
だがある日、夫の態度が急に変わった。帰宅後に食事ができていないと怒鳴り、「仕事を辞めろ」とまで言う。困った私は妹に相談し、彼女が夫と話してくれたことで一度は落ち着いた。
しかし数ヶ月後、夫はまた様子がおかしくなった。
心ここにあらずで、私の話も聞かない。そんな中、妹から妊娠を告げられる。相手の男は逃げたという。怒りと不安を抱えた私は、密かに調査を依頼した。
時間をかけて集まった証拠――それは、夫と妹の裏切りだった。ホテルへの出入り、自宅での行為の映像。全てが揃ったとき、私は静かに機会を待った。
やがて妹が出産し、親族が集まる祝いの席。夫が軽口を叩いた瞬間、私はその証拠を突きつけた。否定する二人に、私は淡々と告げる。「じゃあDNA鑑定しましょうか」
言葉を失う夫と妹。怒る義両親。私はさらに続けた。「慰謝料、請求するから」
妹は震えながら「欲しかった」と言い訳をしたが、私は目を逸らさず言い切った。「もういい。二人とも消えて」
妹は赤ちゃんを抱えて去り、夫も連れ帰られた。私はその場で親族に頭を下げる。すると皆が私を支え、涙が溢れた。
その後、弁護士を通じて慰謝料を請求。二人は職場にも知られ、逃げ場を失った。一方で私は仕事で評価され、昇進した。
過去を振り返りながら、私は前を向く。もう誰のためでもなく、自分のために生きていくと決めた。