リクトとの結婚が決まり、私は彼の実家へ挨拶に行った。ところが義妹のあめは、席に着くなり「兄との結婚は認めない」と言い放ち、挙げ句の果てに「シャネルのバッグを買え」「中卒のくせに身の程を知れ」と私を見下してきた。私は失礼だと伝えたが、彼女は兄への執着に酔い、聞く耳を持たなかった。
そして結婚式当日、あめは控室で私に突然平手打ちを浴びせた。しかも一発ではなく、二発、三発と続き、合計五発。会場は凍りつき、私は頬の痛みよりも、その異常さに言葉を失った。彼女は「兄に手を出した罰」「家族になるんだから被害届はなし」と開き直ったが、その瞬間、背後からリクトの冷え切った声が響いた。
「俺の大切な人を五回も殴っておいて、許されると思うな。今日限り、お前とは縁を切る」
あめはその一言で顔色を失い、ご両親もついに彼女を庇わなかった。後日、あめは家を追い出され、父親の会社も解雇、留学話まで白紙になった。兄の幸せを願うどころか壊した義妹を、本当に打ちのめしたのは、大好きだった兄自身の言葉だったのである。