結婚十年で私は初めて嫁の実家の真実を知りました、息子がカンボジアの女性と結婚したいと言った時、私は正直不安でしたけれど、礼儀正しくて働き者の嫁を目の当たりにして不安はスッと消えましたただ、一つ不思議なことがありました十年間一度も里帰りをしません、実家の話になるとそっと話題を変えるのです雨の夜、部屋の前を通ると押し殺した泣き声がしましたそっと覗くと(続)
2026/05/20

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結婚して十年。私は初めて、嫁の実家の真実を知った。

息子がカンボジア人女性と結婚したいと言った時、不安はあった。だが嫁は礼儀正しく、働き者で、家庭を大切にする人だった。

ただ、一つだけ不思議なことがあった。嫁は結婚後、一度も実家へ帰らなかったのだ。

実家の話になると、嫁はいつも曖昧に笑って話題を変えていた。

そんなある雨の夜。廊下を歩いていた私は、部屋から押し殺した泣き声を聞いた。

静かに覗くと、嫁が電話を抱き締め、震えていた。

翌朝。私はお茶を注ぎながら、不安そうに手を握る嫁へ声をかけた。

「一緒に帰りましょう」

嫁は驚いた後、小さく頷いた。

翌日、私は成田からプノンペン行きの便を予約した。

空港からさらに車で移動し、嫁の実家へ到着した瞬間、私は息を呑んだ。

雨漏りする屋根。板とシートで塞がれた壁。土の床。

私は胸が締め付けられた。

翌朝。私は銀行で手続きを済ませ、家を建て直す費用として三千万円を渡した。

すると嫁は涙を浮かべ、震える声で言った。

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「お母さん、多すぎます。受け取れません」

私は嫁の手を握り返した。

「今日から、あなたの家族は私の家族よ」

東京へ戻ってから、嫁は少し明るくなった。

だが数週間後。嫁が夜遅く帰る日が続いた。

心配になった私は、ある晩そっと後を追った。

嫁が向かった先は、板橋区のおにぎり工場だった。

冷たい作業場で、赤くなった手を動かしながら、嫁は黙々と働いていた。

翌朝。嫁は頭を下げた。

「頂いたお金、少しずつでも返したいんです」

私は何も言えず、ただ嫁を抱き締めた。

その時、息子が静かに私を見て言った。

「母さん。これからは僕たち夫婦で背負っていくから」

私はその瞬間、ようやく気づいた。

この子はもう、“嫁”ではなく、本当の家族なのだと。

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