妊婦マークをチラ見して、電車のドアが開いた瞬間急いで席をとったオジサン。その行動に呆れていたら・・・
2026/06/30

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通勤ラッシュの電車で、私はつり革につかまりながら、ゆっくり息を整えていた。

お腹はまだ大きくないが、つわりが残っていて、少し立っているだけでも体が重かった。

バッグには妊婦マークを付けていた。

席を譲ってほしいと強く思っていたわけではない。

ただ、誰かの邪魔にならないよう、ドアの近くで静かに立っていた。

次の駅に着いた時、目の前の席がひとつ空いた。

その瞬間、近くにいたオジサンが私の妊婦マークをちらりと見た。

そしてドアが開いた途端、降りる人を避けるように素早く体を滑り込ませ、その席にどさっと座った。

あまりの早さに、私は一瞬言葉を失った。

オジサンは気まずそうにスマホを取り出し、私と目を合わせようとしない。

その行動に呆れていると、隣に立っていた女子高生が小さくため息をついた。

そして、はっきりした声で言った。

「さっき妊婦マーク見てから座りましたよね」

車内の空気がぴんと張りつめた。

オジサンは顔を赤くして、「疲れてるんだよ」とぼそっと言った。

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すると、向かい側に座っていた年配の女性がすっと立ち上がった。

「疲れている人は座っていいのよ。でも、恥ずかしい座り方はしない方がいいわね」

その一言に、周囲の視線が一斉にオジサンへ向いた。

結局、オジサンは無言で立ち上がり、別の車両へ移っていった。

私は席に座らせてもらい、女子高生と女性に頭を下げた。

その日は体のつらさより、人の優しさが胸に残った。

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