隣人に“少しだけ駐車場貸して”と頼まれて断った翌日、勝手に納車トラックを呼ばれたのでその場で止めた話
2026/04/29

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それは、ただのお願いから始まった。

土曜日の午前中。

インターホンが鳴って、出てみると隣の奥さんだった。

「息子が車を買ったんだけど、駐車場が借りられなくてね」

その時点で、少し嫌な予感がした。

「お宅の駐車場、少しだけ貸してもらえない?」

やっぱり来た。

うちは今車はないけど、将来使う予定のスペースだ。

空いてるからといって、自由に使っていい場所じゃない。

「すみません、無理です」

私はその場で断った。

すると奥さんの表情が変わった。

「え?でも今使ってないでしょ?」

「使ってなくても、うちの敷地なので」

できるだけ冷静に返した。

でも、向こうは引かなかった。

「息子がかわいそうでしょ?」

——知らない。

その一言が、正直頭に浮かんだ。

でも口には出さず、もう一度はっきり言った。

「お断りします」

それで終わると思っていた。

でも終わらなかった。

翌日。

外が騒がしいと思って出てみると、見慣れない大型トラックが停まっていた。

車両運搬車。

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そして、明らかにうちの駐車場を見ている。

嫌な予感が現実になった。

作業員がこちらに気づいて声をかけてきた。

「こちらで間違いないですか?」

「違います」

私は即答した。

「うちは頼んでいません」

作業員が困った顔で伝票を確認する。

「○○様から、この住所でと……」

その瞬間、隣の奥さんが駆け寄ってきた。

「大丈夫です!ここに置かせてもらう話、ついてますから!」

……は?

一気に血の気が引いたあと、逆に冷静になった。

「ついていません。昨日、はっきり断りましたよね?」

奥さんは顔をしかめた。

「ちょっとくらいいいじゃない!もうトラック呼んじゃったんだから!」

完全に既成事実を作りにきている。

「それはそちらの都合です」

私は一歩も引かなかった。

「うちの敷地に無断で置くことは認めません」

周りの視線が集まり始める。

作業員も明らかに困っていた。

私ははっきりと言った。

「ここには降ろせません」

作業員は少し考えてから、頭を下げた。

「申し訳ありません、対応できません」

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その一言で流れが決まった。

奥さんが声を荒げる。

「信じられない!ご近所なのに!」

「助け合いもできないの?」

私は淡々と返した。

「助け合いは強制じゃありません」

「しかも無断で進めるのは違いますよね」

それ以上、言葉は必要なかった。

トラックはエンジンをかけて、そのまま去っていった。

奥さんは最後まで納得していない顔だったけど、何もできなかった。

その日の夕方、自治会から連絡が来た。

どうやら、他の家にも同じことを頼んでいたらしい。

全部断られていたとのこと。

そして、正式に注意が入った。

後日、その車はコインパーキングに停められていたと聞いた。

高い料金がかかったらしい。

でも、それはうちには関係ない。

あの時、少しだけ罪悪感があったのも事実だ。

でも今ははっきり言える。

無理なものは無理でいい。

境界線を守ることは、冷たいことじゃない。

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