残業も雑務も全部私だった。それでも昇進したのは“報告だけ上手い男性社員”だった
2026/06/16

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私がその部署に異動して三年が経った。

気付けば誰もやりたがらない仕事は、いつも私のところに回ってくるようになっていた。

コピー機の紙がなくなれば補充する。

会議資料を印刷する。

新人のフォローをする。

報告書をまとめる。

締切前には残業して数字を確認する。

誰かがミスをすれば最後に修正する。

目立たない仕事ばかりだった。

でも誰かがやらなければ回らない。

だから私は黙ってやっていた。

そんな中、部署で昇進枠が一つだけ空いた。

周囲からは、

「今回は絶対〇〇さんだよね。」

そう言われていた。

私自身も少し期待していた。

実績だけなら負けていないと思っていたからだ。

ところが発表の日。

名前を呼ばれたのは男性社員のAだった。

会議室が静まり返った。

正直、驚いた。

Aは決して無能ではない。

ただ、現場の仕事をほとんどしていなかった。

面倒な作業は後輩任せ。

残業もしない。

数字の集計も他人任せ。

その代わり上司への報告だけは欠かさなかった。

私は発表後、上司に呼ばれた。

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「君も候補だったよ。」

そう言われた。

私は聞いた。

「では、なぜ私は選ばれなかったんですか?」

上司は少し考えてから言った。

「君は本当に頑張ってる。」

「部署に必要な人材だ。」

その言葉を聞いても嬉しくなかった。

私はもう一度聞いた。

「理由を教えてください。」

すると上司は何気ない口調で言った。

「やっぱり男の方がプレッシャーに強いからね。」

私は思わず聞き返した。

「それは実績の話ですか?」

上司は笑った。

「いや、そういうわけじゃないけど。」

「管理職は大変だからさ。」

その瞬間、何かが切れた。

私は三年間を思い出していた。

残業した夜。

休日対応した案件。

誰もやりたがらない雑務。

全部会社のためだと思っていた。

評価されると思っていた。

でも違った。

私は評価対象ではなく、

便利な人として扱われていただけだった。

その日から私は変えた。

頼まれた雑務は断るようになった。

会議室の準備もしない。

コピー用紙も補充しない。

自分の業務だけに集中した。

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すると部署は少しずつ回らなくなった。

今まで私が無言で埋めていた穴が見え始めたのだ。

数か月後。

上司に呼ばれた。

「最近協力的じゃないね。」

私は静かに答えた。

「私の仕事ではないので。」

上司は何も言えなかった。

私はようやく気付いた。

頑張れば報われるのではない。

声を上げなければ、都合よく使われ続けるだけなのだと。

昇進できなかったことよりも悔しかったのは、

能力ではなく性別で評価されたことだった。

そして私はその日、

この会社に自分の未来はないと確信した。

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