毎日850円払って自分だけ高速通勤。私の朝2時間は“タダ”だと思っていた夫の末路
2026/07/08

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「毎日850円くらいで怒るなんて、器が小さいな。」

給与明細を見ながら夫は笑って言った。

私はその瞬間、怒りより先に呆れた。

問題は850円じゃない。

その850円で毎朝30分早く会社へ行ける夫の「快適な時間」を、誰が作っていたのかという話だ。

私は毎朝5時半に起きる。

朝食を作り、お弁当を詰め、コーヒーを淹れ、洗濯機を回し、まだ寝ている夫を起こす。

「あと5分。」

「まだ眠い。」

そんな夫を何度も起こして、ようやく7時に送り出す。

その夫は、自腹で高速道路を使い、

「時間はお金で買うものだから。」

と得意そうに言った。

私は思わず聞いた。

「じゃあ、私の朝の2時間はいくらなの?」

夫は笑ったまま、

「夫婦なんだから当たり前じゃん。」

と言った。

その一言で、何かが完全に切れた。

私は何も言い返さなかった。

代わりに、その日から全部記録することにした。

私が起きた時間。

朝食作りにかかった時間。

弁当作り。

洗濯。

夫を起こした回数。

高速料金。

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コンビニで買ったコーヒー。

休日に一人で昼寝した時間まで。

一週間後。

義両親も来ていた夕食の席で、私は一冊のファイルをテーブルへ置いた。

「今日は少しだけ聞いてください。」

夫は笑っていた。

「また家計簿の話?」

私は一枚目を開いた。

「高速代、毎日850円。」

「月約2万円。」

「年間約24万円。」

夫は頷いた。

「だから?」

私は次のページをめくる。

「私は毎朝2時間。」

「年間730時間。」

「最低賃金で計算しても100万円以上。」

部屋が静かになった。

私は続けた。

「あなたは自分の30分を守るために毎日850円払う。でも、私の2時間は0円で当然だと思ってる。」

義母が初めて夫を見た。

夫は慌てて、

「いや、それは夫婦だから…」

と言いかけた。

私は遮った。

「じゃあ明日から全部自分でやって。私はあなたの30分を支える仕事を辞めるから。」

義父が小さくため息をついた。

「お前、それは嫁さんに甘えすぎだ。」

夫は何も言えなくなった。

翌朝。

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私は夫を起こさなかった。

お弁当も作らない。

朝食も用意しない。

私はいつも通りの時間まで眠った。

しばらくして、

「遅刻する!」

という夫の叫び声で目が覚めた。

寝癖のまま慌ててパンをくわえ、家を飛び出していく夫。

もちろん、お弁当もない。

その日、高速道路は使わなかったらしい。

高速に乗っても、起きる時間が遅ければ意味がないからだ。

夜、帰宅した夫は珍しく静かだった。

「ごめん…。毎朝こんなに大変だったんだな。」

私は一言だけ返した。

「あなたが払っていた850円は、高速代じゃない。」

「本当は、私の時間に払うべきだったお金だよ。」

それ以来、夫は自分で起き、自分で朝食を作り、週の半分はお弁当も担当するようになった。

結局、結婚生活を壊しかけたのは850円ではない。

「自分の時間だけはお金を払ってでも守るのに、妻の時間は無料だと思っていたこと」。

それこそが、一番高くついた代償だった。

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