美人CAとの合コンで、ついに収入を聞かれた。
「月収は?」
俺は迷わず答えた。「15万です」
その瞬間、彼女は手元のグラスの水を俺にぶっかけてきた。周囲は凍りつき、高嶺も慌てて止めるが、彼女は止まらない。
「15万?それで生活できるわけ?」
あの日、空港で父を見下した女性の態度を思い出した。地味な服装、低い肩書き…でも、俺は決して引かない。派遣や臨時仕事で生き、派手な人生ではなくても、自分なりの価値観を胸に歩んできた。父はいつも、人を外見や数字で判断せず、誠実さを教えてくれた。その教えを信じ、俺は自分の姿を偽らずにここにいる。
だが、翌朝――空港のVIPルームで再び彼女たちと出会った瞬間、全員が青ざめた。
昨日の「無礼」を思い出したのか、それとも目の前にいる俺の落ち着きと余裕に驚いたのか。派手な肩書きや収入だけが人を測る尺度ではないことを、身をもって証明した瞬間だった。
俺は笑わずに、静かにその場を通り過ぎた。だが心の中では確かに、勝利の味を噛みしめていた。地味でも、誠実に生きる者は最後に笑う。派手さで測れない価値があることを、改めて知った一日だった。