
早朝6時。
まだ薄暗い台所で、私は突然激痛に襲われた。
腰から下をえぐられるような痛みで、その場に倒れ込む。
「痛い……!」
声を聞いた夫が慌てて駆けつけ、すぐ救急車を呼んだ。
私は担架に乗せられ、そのまま救急車へ。
ところが――
救急車の中で、隊員の表情が急に変わった。
私の下半身を確認したあと、小さくつぶやいた。
「……これ、病院じゃない。」
そして次の瞬間。
「警察直行だ。」
その言葉に、夫が思わず叫んだ。
「えっ?」
隊員は真剣な顔で言った。
「申し訳ないですが、これは単なる怪我ではありません。」
私は痛みと混乱で何が起きているのか分からなかった。
ただ、救急車が向かっている場所が――病院ではないことだけは理解できた。
数分後、到着したのは警察署。
そこで事情を聞かれ、医師による確認が行われた。
そして判明した。
私の下半身の傷は、
事故や病気ではなく――
明らかに“第三者による暴力”の可能性が高かったのだ。
つまり、これは医療事故ではなく、
刑事事件として扱われる案件だった。
突然の激痛の裏にあったのは、
想像もしていなかった“犯罪の可能性”。
あの日の朝、私はただ倒れただけだと思っていた。
でも実際は――
人生で一番恐ろしい真実の入り口に、
足を踏み入れていたのだった。