
ある日、玄関のチャイムが鳴り、七歳の孫・紡が着物を抱えて立っていた。
「七五三に行きたいから着せてほしい」と無邪気に言う。私は驚いて聞いた。「パパとママは?」
紡はあっさり答えた。「妹の七五三で神社に行ったよ」
その言葉に胸が締め付けられた。紡自身も七歳で七五三のはずなのに、一人だけ家に残されていたのだ。
以前から違和感はあった。妹の歌はいつも可愛い服を着ているのに、紡は古くてサイズの合わない服ばかり。息子に聞いても「すぐ大きくなるから」と取り合わず、嫁は「口を出さないで」と冷たかった。
ある日、娘が七歳の時に着た七五三の着物を見て、紡の目が輝いた。
私はその着物を紡に着せ、写真だけでも残そうと決めた。
しかし嫁は「そんな古い着物は可哀そう」と反対し、息子は「写真代を出すならいい」と無関心だった。
後日、私は紡の将来のために彼女名義の口座を作り、毎月5万円を貯金することにした。
ところが数週間後、息子の家で請求書を見つけて愕然とした。紡の名義の金が、高級スーツやエステ、旅行費用に使われていたのだ。
怒りに震えた私は息子夫婦を問い詰め、事実を警察に伝えた。
その後、二人は事情聴取を受けることになった。
今、紡と歌は私のそばで穏やかに暮らしている。
リビングに飾られた七五三の写真を見るたび、私は思う。
この子たちは、必ず守り抜くと。