「退園届」が突然届いた。期限は明日。何も準備できないまま突きつけられた現実と、私が取った行動
2026/05/04

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今日、私は机に座ったまま、手が震えていた。

目の前にあるのは、一枚の書類。

「退園届」

その文字が、やけに冷たく見えた。

ああ、ついに来たんだ。

2月12日、最初の通知が来た時は、
まだどこかで信じていた。

話せば、何とかなるかもしれないって。

でも——違った。

時間が経つほど、選択肢は削られていった。

そして今。

提出期限は、明日。

何も準備できていないまま、
子どもの居場所がなくなるかもしれない。

正直、怒りより先に、体が震えた。

落ち度があるのは、分かっている。

ルールを守れなかったことも、事実。

でも——

だからって、このタイミングで?

書類一枚で、全部決まるの?

考えるだけで、胃が痛くなる。

背もたれに寄りかかっても、

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肩の力は抜けなかった。

手の中の紙が、汗で湿っている。

ふと、子どもを見る。

何も知らずに、遊んでいる。

その姿が、余計に苦しかった。

「ごめんね」

声には出せなかった。

この子は、まだ何も知らない。

明日、自分の場所がなくなるかもしれないなんて。

何度も考えた。

退園届を出すべきか。
それとも、まだ掛け合うべきか。

でも、どちらにしても——

時間がない。

周りに相談しても、きっとこう言われる。

「仕方ないよ」

それが正しいのかもしれない。

でも、母親としては、納得できなかった。

夜になって、ようやく気づいた。

このまま感情で止まってても、何も変わらない。

必要なのは、次の一手。

まず、書類は全部コピーを取る。

提出前の状態も、全部残す。

あとで何があっても、
記録として使えるように。

それから、幼稚園に電話した。

深呼吸して、ゆっくり話す。

感情をぶつけても、意味がない。

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「確認なんですが」

「はい」

「この時期の退園で、
 他の受け入れ先の案内などはありますか?」

少し間が空いた。

「……現在、個別の紹介は行っておりません」

やっぱりそうか、と思った。

でも、ここで終わらせない。

「では、必要な手続きや、
 転園に関する書類はどこまで用意していただけますか?」

質問を一つずつ、積み重ねる。

さっきまで見えなかったものが、
少しずつ見えてくる。

完全に道が開けたわけじゃない。

でも、真っ暗ではなくなった。

それだけで、少しだけ呼吸が楽になった。

書類を机に置く。

まだ手は震えている。

でも、それはもう恐怖だけじゃない。

——やれることは、やる。

そう決めた震えだった。

子どもを抱き上げる。

「大丈夫」

心の中で、何度も繰り返す。

怒りも、不安も、まだ消えていない。

でも、何もせずに諦めるよりはいい。

私は動いた。

だから、少しだけ前に進んだ。

明日、書類を出す。

その先がどうなるかは、まだ分からない。

でも——

このまま終わらせるつもりはない。

これが、私の現実。

そして、

私の戦いの始まりだった。

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