私「ここ指定席なんですが」オッサン「こっちは子供連れなんだ。譲れ」退かない子連れに困ってると『お嬢ちゃんと交換してあげる』そっち系おじさんが現れ…GJだけど少し怖かった
2026/06/17

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指定席の車内は、週末ということもあり混雑していた。私は事前に予約した席に座り、ようやく落ち着けると思った矢先だった。

目の前に立った中年男性が、子どもを連れたまま強い口調で言い放った。

「ここ指定席なんですが」

私が切符を見せながら静かに伝えると、男性は眉をひそめたまま一歩も引かない。

「こっちは子供連れなんだ。譲れよ」

その声に周囲の視線が集まり、車内の空気が一気に重くなった。子どもは不安そうに周囲を見回し、私はどう対応すべきか迷いながらも席を立てずにいた。

言い争いが続きそうになったそのとき、後方からゆっくりと歩いてくる人影があった。

「お嬢ちゃん、その席、ちょっと交換してあげようか」

低く落ち着いた声。現れたのは、年配の男性だった。どこか普通ではない雰囲気を漂わせ、しかしその目は妙に鋭い。

彼は私に軽く頷くと、子連れの男性の方へ視線を向けた。

「指定席を無理に奪うのは、あまり感心しないな」

静かな一言なのに、車内の空気がさらに張り詰める。

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子連れの男性は一瞬たじろいだが、それでも何か言おうとした。しかし次の瞬間、その“そっち系のおじさん”は静かにスマホを取り出し、駅係員らしき番号を表示させた。

「ここ、車掌呼ぶぞ。ルールは守るもんだ」

その一言で、空気が完全に変わった。

結局、車内に呼ばれた乗務員が状況を確認し、男性と子どもは別の空席へ案内されることになった。

去り際、年配の男性は私にだけ小さく言った。

「困ったら、ちゃんと声出せ。世の中、黙ってると損するからな」

少し怖いのに、なぜか妙に安心する存在だった。私はその背中を見送りながら、指定席に座る手をそっと握り直した。

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